カテゴリ:日常とか。

日常のだらだらした風景

2009/06/21

エロゲ陵辱規制について云々。

最初に僕の意見を一言で書いておくと、「規制自体は必要だが、今回の規制は反対」です。ただ某所管理人として、どちらかというと規制する側の立場にあることが多い僕には、むしろ反対派の意見のが腑に落ちなかったり、明らかに変だと思うことが多いです。ですからまずは「規制自体は必要」という部分について書いていきます。

僕が必要だと考える規制は二つ。「良識の規制」と「住みわけの為の規制」です。これはどちらも創作者側が積極的に動くことになります。何故なら、今ある自由を守るために行う規制だからです。

良識の規制

あなたの創作物は、観た人間の心を揺さぶるためのものですか?

こう聞かれて、Noと答える作者はあまり居ないでしょう。というより、僕に言わせれば全ての創作物は他者の心に訴えるために作られています。なにかを伝えるため。それは自身の思想であったり、好みであったり、思いやりであったり。「楽しませたい」「笑わせたい」「悲しみを知って欲しい」「興奮したい」「欲情を共有したい」などなどですね。

しかし実際に揺さぶることが出来るかどうかは、作者の腕次第です。ただし一流と呼ばれる作家であれば、ある程度思いどおりに読者の心を動かすことが出来るでしょう。また一流ではなかったとしても、ある程度波長が合う人間同士であれば比較的容易に相手の心は動かせます。

では、あらゆる人間の心を意図的に動かせる大天才が「犯罪をしたい」と思わせる創作物を出したとしたら……? これを許す人間は居ないでしょう。規制するべきだと皆が声を上げるでしょう。

残念ながら現実にこんな大天才は居ません。しかし先に書いたように、波長の合っている人間の心を動かす創作物というのは比較的容易なものです。だってそれは素人はなはだしい僕ですら、なんとか書けたりしているのですから。

ゆえに犯罪を助長するような意図で書かれた創作物というのは、どんな作家が書いたものであれ危険分子です。あってはならないものとして規制すべきです。そして創作する者の基本的モラルとして、書いてはならない物と認識しておくべきです。「表現の自由」という言葉はありますが、なにを書いても良いというのは違うと思うのです。

すなわち「書いてはならないものを書かない」というのが「良識の規制」です。

住みわけの為の規制

「私は秋葉原という街が日本に存在すること自体が許せないのです。あのように創作の中で女性を慰みものにするような商品を、隠すこともせず堂々と日の当たるところで売っていて、それを求める醜悪な外観をした人間が、街を埋めつくしているのです。彼らの頭の中も狂気に満ちた、外観と同様の歪んだものであるに決まっています。周囲に悪臭が広まらない内に、即刻排除すべきです」

どっかの議員が演説しそうな文章をでっちあげてみましたが、しかしその反論はこのようなものです。

「私はエロゲ文化を否定する人間が日本に存在すること自体が許せないのです。あのように創作の中のことを現実であるかのように、区別も出来ず堂々と日の当たるところで喚き散らし、それ相応の醜悪な外観をした人間が、街を埋めつくしているのです。彼らの頭の中も狂気に満ちた、外観と同様の歪んだものであるに決まっています。周囲に悪意が広まらない内に、即刻排除すべきです」

実は規制否定派も肯定派も、過激グループの言ってることは同じなんじゃないかと思うのです。どちらも相手の存在自体が許せない。でもこれってなにか違いませんか?

表現の自由があるのなら、「規制の否定」と同じように、「規制の肯定」を叫ぶのも自由なはずです。ゆえに本当に表現の自由を尊重しているのであれば、どちらの意見もあると認めた上で、どこで線引きをするかというところにおちつかなくてはいけません。

だからこそ、見たくない人に見せない配慮というのが必要になると思うのです。これが「住みわけの為の規制」です。

今回の規制について

さて良識の規制の項で「犯罪を助長するものは書くべきではない」と書きました。しかしこの「犯罪を助長する」というのは、既存のジャンルとイコールできないものです。純粋な恋愛モノでもストーカー犯罪を助長することは出来ますし、陵辱モノでも現実の陵辱はやめるよう誘導することが出来るはずです。しかし今回は「陵辱モノ」=「犯罪を助長する」となり、一括規制。これはおかしいです。本来規制すべきものとはズレています。

ただ反対側の意見でも「被害者が居ないからOK」という主張があります。これも本質からズレていると思います。被害者が現実に存在するか否かとは関係なく、犯罪を助長する創作は出来ます。

では「犯罪を助長する」かどうかはどのように判断すれば良いのでしょうか。これはもう、作家の良心に任せるか、もしくは実際にプレイするしかないと思います。しかし規制団体が実際に全てのモノをプレイしていたらコストがとんでもないものになります。また、そのジャンルが好きではない人がプレイしたところで正常な判断が下せるとは思えません。となれば、実際にプレイする人間が判断するのが一番ではないでしょうか。

また線引きについても、堂々と語れるべき内容ではないというのはプレイヤー自身が一番よくわかっているのではないでしょうか。僕自身、「スライムラブ」とか「丸呑みラブ」とか「同化ラブ」とか「転生ラブ」とか、リアルで堂々とは絶対に言えません。

結局、本当の意味で規制すべきものかどうかというのは、実際に購入してプレイするユーザーが判断しなければならない事項ではないでしょうか。「今ある自由を守るための規制」を、エロゲ業界もプレイヤーも真剣に考えたほうがいいような気がします。

疲れた。寝よう。

追記(06/20)

わりと反響があったんですが、どうもうまく伝わってないかなーとかなんとか。というか具体的な法案の話はした記憶がないのだが……。

児童ポルノについては、売る親が悪いです。以上。禁止したところで需要も供給も止まるわきゃないんだから地下に潜ってレア度が上がるだけだろこれは。絵の規制? まあ嫌っていう人が多数派ならしょうがないのではないかなぁ。

でもこんな感じに法規制ウンヌンって話になるってことは、正直やりすぎたんじゃないかなと思うのです。実際、異常なような気がしますよ、今の日本。線引きが壊れてますよ。

自由って、与えられるものです。人権なんてあんなモン机上の空論です。有無を言わせぬ暴力で自由は簡単に奪われるものです。だからこそ「人権は大切」という教育を必死で行って、壊してはならないものと擦りこむのです。つまり自由はいろいろな要因により、儚く壊れるものなのです。あって当然のものだなんて思っちゃいけません。

そして出る杭は潰されます。あまりに目立つジャンルは規制されてしまいます。そしてモン娘もきっと、ギリギリのラインでやらせてもらえてるものなんです、今は。だからこれからもモン娘あぷろだを続けるために、ちょっと冷静になって、出すぎないようにしようぜ。そんな感じです。

そうそう、『最凶魔法少女アリナ (仮)』ってソフトがLusteriseから出るらしいです。内容は「魔王の娘である主人公が魔力を底上げする為に使い魔の触手調教を自ら受ける」んだとか。どう考えても陵辱規制対応。そしてなんか意地というか、悪意を感じます(笑。いいぞ、もっとやれ。

あと、実はもう一つ懸念があります。あるジャンル=犯罪を助長するとなった場合、そのジャンルはおおっぴらに語れなくなると思うのです。しかしそのジャンルの需要は変わりなく存在するでしょうから、皆、個々で闇に潜ることになります。

ヒトは社会的な生物です。フィクションであることを前提として皆で語っていた頃は、それが妄想に過ぎないことを社会的に証明出来ます。しかしひとりではそれが出来ません。妄想が妄想を呼び、確実にエスカレートしていきます。妄想と現実の区別が出来ないほどに。

僕自身、モン娘スレという場がなければどうなっていたかわかりません。僕が頑固でしかも暴走する性格なのは既に皆様ご存知でしょう(笑。ゆえに妄想がひとり歩きし、越えてはいけない線を越えていたことは確実です。

過激な妄想をする傾向にある者を、孤独な環境に置くのは非常に危険です。モン娘に限らず、そういったコミュニティが崩壊しないよう、切に願います。


  1. S-BOW:俺が言ってもあんまり説得力無いんですが、自分もスラさんとほぼ同意見ですね。なんか騒いでいる人達が両極端過ぎて、なんだかなぁと眉をしかめてます。ちなみに、今回の騒動の発端とされているエロゲ、持ってるんですよね俺wでも騒がれるほど(凌辱物としては)過激じゃないんですけどねぇコレ……ま、内容じゃないんだろうね、切っ掛けなんて
  2. 初ヶ瀬マキナ:まずは、自分に関して冷静さを失ってました。失礼。根拠となる資料も無しにあんな潔癖な規制案になっているのは、どうもフェミニストとキリスト教系宗教が同時に関わっているのだとか。キリスト教は一神教ですからね。他者排斥の歴史は紐解けばたんまりと。自らを絶対視すると自らの意にそぐわないものを劣等視するようになるんですかねぇ。お互いに。
  3. かくに:この法案は犯罪防止を目的としているよりは排斥が目的のような気がします。と、したならば内容に触れるまでもなくポルノと言われる物(二次元 三次元等)全般が規制される可能性もありまた解釈の拡大により幾らでも違法判定を出せる可能性もあるかもしれません。この法案を通したい人達の目的がどこにあるかも重要です。正直エロゲやアニメ、漫画等で影響されて犯罪を犯す事自体が異常だし、そもそもそこは教育や躾とかで自分の感情を統制したり他者に迷惑をかけないように・・・ってするべきだと思うんですけどね。元から犯罪の素養があったとしか・・・   いつしか絵を描くだけで逮捕される日がきてしまうかもしれませんね  このまま可決されたらそういうのが恐い法案だと思います
  4. das330jp:こんにちは、das330jpです。今回の騒動、私も非常に注目、というか尻に火がついた思いで成り行きを見守っておりますので、コメント投稿させていただきます。さて、今回の件ですが、業界団体による自主規制と、国による法規制は明確に分けて考えるべきだと思っております。で、自主規制については、現段階では規制内容も不明確だし、業界団体の意図(全面降伏なのか、遅滞戦術なのか)も不明なので、ノーコメントとさせていただきまして、法規制の問題について書かせていただきます。法規制、特に単純所持を刑事罰を以って規制することについては、私は全面的に反対すべきだと思います。というか反対しないと危険と考えています。簡単に言うと、例えば、国政選挙の選挙期間中、「野党議員の選挙事務所に出入りしている人間が『児童ポルノ』を所持している『と思われる』」というだけで、捜査機関の手によって合法的に選挙妨害(捜索差押令状を示しての強制捜査)を行うことが可能になってしまう。そして、既にいろいろなところで指摘されている通り、選挙事務所に『児童ポルノ』の写真を郵送するだけで、上記状況は作れてしまう。こんな、時の政府にとっておいしすぎる状況を作らせてはマズイ、と思うからであります。候補者の秘書の自宅に郵送し、「A候補者の秘書が児童ポルノ所持の疑いで逮捕」というニュースをマスコミ通じて流させるのも効果的でしょう。いずれにせよ、国による法規制については、アニメ・漫画表現規制云々とは別の側面において、危険が非常に大きいということは意識しておいたほうがいいな、と個人的には考えております。スラさんの記事はむしろ自主規制についての話だと思いますので、国の法改正についてコメント返信するのは論点がズレるのですが、逆に、両者は論点が違うということを意識しない意見がネット上では散見される(法規制全面反対という結論をそのまま自主規制全面反対の結論に結びつける意見や、その逆)ので、確認の意味でコメントさせていただきました。少しでも皆様の思考整理の助けになっていれば望外の喜びです。長文大変失礼いたしました(長すぎてご迷惑のようでしたらご遠慮なく削除ください)。とにもかくにも、どんな時代においても良心的なモン娘好きに幸アレと願いつつ、失礼いたします。
  5. 管理人:あとでこの項もう少し書き足すことにします。ただ、とりあえず、みんな、もっと冷静になろうぜ! >>S-BOWさん レイプレイってタイトルが一番の問題だったかと。ちょっと考えればわかると思うのですが、やつらがゲーム自体をやってるわけないんですよ。日本語読めるわけないんだから。でも「レイプレイ」ってタイトルは普通に英語でも意味が通ってしまうので……。 >>マキナさん 勝手なイメージで語っちゃだめですよ。それに旗頭がどんな組織に所属してるのかってのは本質とは関係ない話です。 >>かくにさん 日本はマトモな法治国家です。解釈の拡大によりどんな人間でも逮捕できたとしても、実際にそのような運営をしたら国家が崩壊します。 >>das330jpさん 大袈裟でわかりやすい内容を言っているモノこそ、疑いの目を向けるべきだと思います。言われてるような敵対政治団体への嫌がらせは児童ポルノ法案ではなくても既存の法律で出来ることではないですか? 私は出来そうな気がしますけど。
  6. :ネットじゃない現実世界では、女は男より体力的に劣ってて、ガチで殴り合ったら必ず負ける存在なんだという事。そして現代は男女が対等に暮らしてるって事。そしてそこにレイプゲームがあるって事。とにかく何もかもがイビツで、悲しくなるよ
  7. :管理人さん自身噛み砕いて当面の結論を出したはずのものに納得できてない気がします。>上手く伝わってない モン娘スレがなかったらどんな風に暴走したんでしょうかww モン娘スレ的な意味で現実に暴走すると言われてもフィクションの産物として萌えてる自分には想像もつきませんが気になるwww
  8. 管理人:>>6さん 思想の統制が取れていないイビツな世界は悲しいことですか? 「男女が対等に暮らすべき」という平等論に反論を許さない世界も、それはそれでイビツではないですか? >>7さん 当面の結論っていうか、僕はただ「やりすぎじゃね?」って言いたかっただけなんですよね。法案自体には反対なんですが、しょうがないかなという諦めもあります。モン娘スレがなかったらですか。精液風呂を作ったりとか道ゆく女性に精液ぶっかけたりとかしてたんじゃないですかね。

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書いた日: 2009/06/21 00:07 カテゴリ:日常


作成:スラマイマラス
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